「全面侵攻の4年、私たちがウクライナにできること」東野篤子の視点
2026年2月24日で、ウクライナはロシアによる全面侵攻から丸4年を迎えます。私自身も、自分の研究対象であるヨーロッパでこのような残虐な戦争が勃発し、それがまったく終わる気配がないという状況が続く中、無力感にさいなまれてきました。この侵略を巡る日本での報道は減る一方でしたが、ウクライナの窮状は深まるばかりで、ウクライナはこの4年間で一番厳しいとされる冬に耐えてきました。私自身も、なにがあってもこの問題の発信を止めてはいけないと思っています。
この4年間の振り返りについては、いよいよ2日後に迫りましたtheLetterイベントで、朝日新聞の喜田記者とじっくりお話しさせていただきたいと思いますので、皆様是非お申し込みをお願いいたします。
今回のtheLetter記事をベースにした記事が、朝日新聞デジタル版等で後ほど公開予定です(今回theLetter読者向けに特別に先駆けてお送りいたします)
【なぜ侵略は終わらないのか】
ロシアのプーチン大統領によるこの侵略の目的をめぐっては、日本でもまだ見方が大きく分かれているところです。100%の正解はないでしょう。しかし私自身は、プーチン大統領の「歴史観」が依然として重要であると考えます。仮に、プーチン大統領自身が2021年に発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」で披露された歴史観が正しいのなら、プーチン大統領の侵略目的は、ウクライナが完全にロシアの支配下に置かれ、いわば「属国化」されなければ、達成されないことになります。ウクライナの東部をロシアが獲得したところで、それで「ウクライナとロシアが歴史的一体性を達成した」とは解釈されないでしょう。
日本では、「ウクライナがいつまでも諦めず、ロシアに降伏しないから、戦争が終わらないのだ」と主張し続ける人々がいます。理解できなくもないのですが、そうした考え方は「ウクライナだけが戦争を続けたいのであって、ロシアはそうではない」という思い込みに基づいてはいないでしょうか。ウクライナの人々から見れば、「ロシアが戦争を止める意思を持つ状況」がなかなか訪れないからこそ、歯を食いしばって祖国防衛に耐え、防衛を続けるための支援を国際社会に幅広く求めているのです。そもそも、問題は侵略を止めないロシアにあるはずです。それを、「他国から武器をもらってまで戦争を続けたいのか」と、侵略された側であるウクライナを冷笑するのは酷でしょう。