東京新聞のコラム削除をめぐって
先ほど、東京新聞編集局のXポストで、以下のような告知を見ました。
1日の特別報道部長コラム「新年に寄せて」について、冒頭の「『中国なにするものぞ』『進め一億火の玉だ』『日本国民よ特攻隊になれ』。ネット上には、威勢のいい言葉があふれています」は誤りでした。
実はこのコラムに関しては私自身も、このtheLetter で、批判的な記事を書かせていただいておりました。
私が書きましたtheLetter記事の趣旨を簡単にご紹介すると、
・ 『中国なにするものぞ』や『進め一億火の玉だ』などという、このコラムが指摘するネット上の『威勢のいい言葉』は、実際にはネット上で顕在化しているものではないという指摘がある。私自身も、そのような言葉にネット上で遭遇したことはない。
・ このコラムのように、実際には存在しない言説を勝手に作り上げて批判するやり方は、ウクライナに心を寄せてきた人間に浴びせられてきた揶揄表現である「ウクライナ応援団」関連のネット言説と非常によく似ていると、個人的には考えている。
・ 「ウクライナ応援団」を批判する言説は、ウクライナに心を寄せ、ロシアの侵略行為を批判する学者や一般人が、実際には言ってもいないことを言ったことにし、脳内で「ウクライナ応援団」のおイメージを作り上げたうえで、それを叩くという特徴がある。
・ 今回の東京新聞コラム発表後、唯一救いだと思った現象は、「そのような言説は存在しないのではないか」という指摘がそれこそネット上で多く見られたことであると考える。歪曲やねつ造と思われる言説に遭遇したら、皆が声を上げられるようになったのは良いことだと思う。
・今回の事態を受けて私自身も、「ウクライナ応援団」絡みの心ない中傷や揶揄、存在しない言説の構築や歪曲、それに基づくバッシングに対しては、今後とも冷静に対処し、指摘を続けていこうと考える。
というものでした。宣伝になってしまって恐縮ですが、以下で登録いただければ、私の記事の全文が読めます。
「『ウクライナ応援団』などという言葉、初めて聞いたぞ」と思われる方は、もし良かったらXで「ウクライナ応援団」と入力して検索してみてくださいね。多くの場合、本当に心からウクライナを「応援」している方々は、この用語を用いていません。ウクライナに心を寄せる人々を馬鹿にしたり、揶揄したり、言ってもいないことを言ったことにする際に多く使われています。
(検索すると、「ウクライナ応援団」という言葉そのものを非難している方も、より少数ではありますが出てきますので、その点だけお気を付けくださいね)
そして「『ウクライナ応援団』はこう言っているぞ」という指摘の内容を検索してみていただけると、その言葉そのものが見つかることはほとんどないことも、おわかりいただけると思います。
今回東京新聞は、コラムの内容にねつ造があったことを事実上認め、コラム自体をすべて削除しました。私は、こうした対応を高く評価しています。誤報や間違った指摘、勇み足などはどの媒体でも起こりうることです。多くの声を無視せず、改めて検証し、対応したことは、非常に重要であったと思います。この一件について自らも声を上げた人間として、私自身も安堵しました。
東京新聞の対応は、私のニュースレターの指摘を受けてのものでは「ない」と、個人的には思います。上記の通り、多くの方が疑問の声を上げた結果です。どんなに小さい声であっても、指摘すべきは指摘することの大切さを、改めて教えられました。私にとっても、学びとなった出来事でした。
そして最後に大事なこと。コラムそのものは削除されてしまい、今は読めませんが、このコラムにはとても大事なことが書いてありました。
(以下引用)
「私たちは『国民的な熱狂』がつくられていく同時代を生きているのかもしれません。『熱狂』に向かっていく状況に歯止めをかけ、冷静な議論ができるような報道を続けてきます」
(引用終わり)
冷静な議論をしなければならない、というのはその通りです。何の異論もありません。このコラムは、「冷静な議論」を呼びかけておきながら、「冷静ではない議論」の例としてあげられた言説がそもそも存在しなかったところに問題があったわけですが、このことも含め、議論をする際にはとにかく冷静を心がけなければならない。そのこと自体は、私自身も改めて肝に銘じたいと思っているところです。
その指摘の場として、このtheLetterは今後ともフル活用していきたいと思います。もしよろしければ、皆様もぜひご登録いただき、そして私の記事を読んでくださったなら、ぜひご感想をいただけると嬉しく思います。
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